保育・教育・研修
2020/08/11
開園したての ひかり動物園は、小さな小さな動物園でした。
積み木で作られたキリンの「キーちゃん」は、開園当初からいる人気者。
動物園の入り口に立って、お客さんを迎えるのが キーちゃんの仕事です。
今では、ひかり動物園は大きくなり、たくさんの動物が飼育されています。
キリンの仲間もたくさん増えました。
キーちゃんはずっと同じ場所に立って、お客さんを迎えていました。
あるとき、別の動物園から手紙が来ました。
「キリンを譲ってください」
子どもたちは悩みましたが、みんなで相談して、キーちゃんを譲ることにしました。
その動物園が、絵本に描かれている「きたのどうぶつえん」だったからです。
日曜日の夜、キーちゃんは「きたのどうぶつえん」にもらわれていきました。
子どもたちはキーちゃんに手紙を書きました。
「きーちゃん いっぱい あそんでくれて ありがとう」
* * *
キーちゃんが「きたのどうぶつえん」に行くことになったのには、担任の思いがあります。
キーちゃんは積み木ですから、お世話しているうちに少しずつ壊れていきます。
何度も「けが」を治しながら飼ってきましたが、
何とかバランスをとって、ぎりぎり立っているような状態でした。
もう明日にでも崩れてしまいそうなキーちゃんを見て、
「とても可愛がっていたから、崩れて終わりにしたくない」と担任は思ったのです。
キーちゃんは今、「きたのどうぶつえん」の人気者になっています。