保育・教育・研修
2020/12/16
寒い寒い朝の遊びの時間。5歳児のNちゃんが作ったブンブンゴマを借りて遊んでいたEちゃん。それをいつの間にか無くしてしまったようで…。Nちゃんが泣きながら歩いているのに職員が気づき、声をかけました。話を聞いた職員が「どうしようか」と聞くと、5歳児の他の女の子たちが集まって、話し合いを始めました。
「どんなやつやったん?」
「ロッカーちゃう?」
「どこさがす?」
「そらクラスにあるんちゃう?」
様々な意見が飛び交い、推理が始まりました。
でも結局その時は見つからず、5歳児全体の話し合いの議題にあがりました。なんとか見つけてあげたいと、すぐに探し始める子がいたり、Nちゃんが作っていたものと同じものを作って「こんな色やで」と教えてあげる子もいました。
そうこうしているうちに、Aくんが「あった!」と見つけてくれました。Aくんは照れながらもちょっぴり得意顔。みんなは「よかったー!」と一安心しました。
あとで担任がNちゃんとEちゃんに気持ちを聞いてみたそうです。
Nちゃんは、ブンブンゴマがなくなったことが悲しくて、でも誰にも言えずに涙が出た、ということ。
きっと、大好きなEちゃんのことを責めたくなかったんだね…。
Eちゃんは、Nちゃんの大切なものをなくしてしまったことを、自分からNちゃんに言えなかったこと。
Nちゃんが大切にしているものだと分かっていたからこそ、言えなかったんだよね…。
そんな二人のために動いた友達。そして5歳児全体でそれを共有して、見つけたブンブンゴマ。
みんなの気持ちが、まるでリースのようにまあるく繋がったように感じた出来事でした。
卒園まであと3か月余り。一日、一日がみんなの宝物になっていきます。
桃の木の森こども園 園長 稲垣美紀