お知らせ

子ども達に何を伝えよう。普段からそのような問いかけを常に心がけていますが、伝えたいのは、楽しいこと、嬉しいことに限りません。生まれてからまだ6年ほど。もうすぐ卒園する年長さんと言えど、今まで生きた年月は、我々大人からすると、ついこの間のような時間です。そんな子ども達が生まれる4年前の2011年3月11日、東北地方で、東日本大震災が発生しました。

4月14日、熊本地震。1月17日、阪神淡路大震災。そして3月11日の東日本大震災。幾度となく地震という甚大な被害や悲劇に見舞われる日本において、家族や友だち。日常。命。それらの存在がいかに尊く、ありがたいものか。重く難しいテーマであることから、4月でなく、1月でなく、3月に。年少でも、年中でもなく、年長さん達に伝えます。

 

 

職員の話を聞く中で、子どもたちからはいろいろな言葉が出てきます。

地震の時は机の下に隠れるんやで!

大人の人の話を聞く!

ぼくんちの机ガラスやからあかんな。

(保育園がつぶれたり、お家が壊れちゃったら、何をリュックに入れようか?という問いかけに対し)

ジュース!お肉!おいしいから。

子どもらしいかわいい返事。でもジュースはまだしも、お肉は腐る。

じゃ冷蔵庫持っていこう!→重いよ!

あーでもない、こうでもない。楽しい想定問答が続きます。

ただ子ども達は知りません。実際の地震というものを。日吉の森では、実際に地震が起こった時に何が起こるのか。当時の様子を動画で見てみることにしました。

 

言葉を失う。想像を絶する地震のパワーを見ると、子ども達の表情は真剣なものになっていきました。

あ、赤ちゃんがいる…

いま「怖い」って言ったのは誰?あの子は大丈夫なの?

地震が起こると、誰の気持ちも、都合も関係ないこと。本当に命が失われること。その事実のみ伝え、こう感じるべきなど、大人の意向は伝えません。年長さん達はそのリアルに触れてなにを感じるのでしょうか。

これから小学校に進学し、やがて大人になりゆく子ども達に送る、命のお話でした。

 

そして最後に、園庭に出て黙とうをします。なくなった子ども達。今も苦しむ人達。皆を思って、黙とうを捧げました。

 

最後に。職員と子ども達のやり取りに、心がきゅんとなりました。

(黙とうのときは)お空を見よう!

どうして?

お空はつながってるから。

 

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